eMateを使いながら・・・
Wanwan-10


 久々にタンスの中からeMateを引っ張り出したりして、ぽこぽこいじってみる・・・・
 うぅむ、やっぱeMateはいいっす。

 さて、そんなこんなのeMate(正式にはeMate 300といいます)ですが、今から約11年前、Appleから発売されていた、主に教育機関向けのPDAでした。
 さて、そんなeMateをちょっと振り替えつつ、iPod touchとの相違点を見ていこうかと思ったりします。

■Newtonファミリーとして登場したeMate 300
 eMateが発売になったのは1997年に教育機関向けに発売されました。
 なぜ、教育機関向けに開発されたかは今でも諸説あるのですが、どうも教育機関からAppleに打診があったのが有力であり、「一人一台で、価格帯を安くしたものを提供してほしい」というリクエストの元、重くて不安定なMacOSを使わず、ARM CPUで複雑ではないNewtonを元にし、キーボードを付けたeMateを開発したと言われています。
 さて、eMateの価格ですが、教育機関向けを差し引いても相当安く販売されていたことを示しており、当時のAppleが教育機関向けにかける行きgみが解ります。(教育機関向けにかぎり799ドルで発売されていました)
 また、eMate自体、色々なカスタムバージョンがあることが今では確認されています。有名なのは、筐体の色が黒いモノだったり、オレンジ色だったり、未確認ながら青色のモノもあったようです。ちなみにオレンジ色のeMateは存在は確認されているのですが、現物を見た人が非常に少なく、色々な説があったようです。

 ちなみに、eMateのデザインワークはよくジョナサン・アイブと勘違いする人が多いですが、実はトーマス・メイヤーホッファーという方であり、ジョナサン・アイブが引き抜いてきた人材だったようです。(ちなみにトーマス・メイヤーホッファーは現在Appleをやめ、サーフボードのデザインをやっていたりするわけですが)
 そんなeMateですが、発売直後から子供(無論Appleフリークな大人)から熱狂的な支持を受け、そのおかげでアメリカ限定ではありますが、一般販売もされました。
 また、eMateを含むNewtonプロダクツは、その後のPDA市場に多大なる影響を与えたことも付け加えておきます。

■悲劇に見舞われたNewtonプロダクツ
 さて、そんなNewtonプロダクツですが、実は販売自体はMacに比べてもぱっとしたモノではなく、実際eMate以外のNewtonは売り上げ的に苦しい状況になっていました。(無論、Mac自体の売り上げもあまり良くない時代でしたが)
 そんな中、スティーブ・ジョブスがAppleに返り咲き、とうとうNewton事業自体をディスコンすることになるわけです。  まぁ、Newton自体が当時ジョブスを追い出したスカリーが企画した製品群であり、そういった事も関係していると言われていますが、実際問題としてかなり窮地に立たされていたAppleとしては、そういう個人的な感情が無くともNewton事業を辞めざるを得なかったと見ることが出来ます。
 さて、その後のNewtonですが、いったんはNewton Inc.としてAppleから独立組織になりましたが、結局買い戻され、Appleに吸収されました。
 また、Newton OSを制作した技術者二人はPixo Inc.という会社を立ち上げ、その後のiPod OSに関わっていくのですが、現在はSunに買収されました。(iPodのOSに関しては、インターフェイス部分がPixo社で、PortalPlayer社がコア部分を作成したとされています)

■日本でのNewton熱
 Newton自体は、日本では結局一回も正式発売されることなく、それはeMateも一緒であったですが、日本の「Newton」を使いたいという当時のユーザーが中心となり、UniFEP、N.L.Kといった元々日本語に対応していなかったNewtonを日本語対応にするキットが発売されたり、eMateの場合はアメリカで販売されたときに個人輸入という形で手に入れた方も多かったようです。
 ただ、個人輸入の場合はまだよかったのですが、ショップ販売は相当高く値を付ける所も多く、実際の販売価格よりも相当高い値段で販売されていました。
 実はそのことも影響して、Newton、eMate、共に好事家のお遊びマシンとして見られることが多かったようです。
 特に同じようなコンセプトであったPalmがNewtonよりもずっと安く手に入りやすい状況でしたので、それに拍車がかかったおいう見方もあったようです。
 また、アメリカでのNewton、eMateの販売中止もかなり響き、11年を迎え、1990年当時、数多くあったNewton、eMate系のサイトも消滅し、現在ではその名前も聞かなくなりました。

■iPhoneとしてよみがえったNewtonのコンセプト?
 Newtonが消滅してほぼ10年がたった2007年、PDAというコンセプトとは表面上ちがう製品としてiPhoneが発売になりました。
 iPhoneの特徴に関しては、今更説明する必要性はないと思いますが、Newtonのコンセプトとは明らかに違うことが解ります。
 Newtoがスタイラズペンでの入力を全体にしたタッチパネルで操作され、軽いOSというコンセプトから色々なものが犠牲にされたモノだったのに対して、携帯機用のCPUとしては相当パワーがあるARMの上位CPUを使い、OSXを携帯向けにカスタマイズしたiPhoneは、まず携帯電話と音楽プレイヤーを合体させた製品として誕生しました。
 しかし、発売からほぼ1年で、SDKによる開発環境の提供、そしてマルチタッチパネルの採用、住所録、カレンダー、Webブラウザと、どんどんNewtonに近いコンセプトモデルになってきたのも事実です。
 また、話は前後しますが、eMateのデザインコンセプトは、初代iBookにも転用され、グラムシェル系の美しいデザインが当時注目を浴び、また、学校向けのコンピュータとして広く販売、その後MacBookと名前が変わりましたが、学校向けの販売は続いています。(その後の教育市場におけるAppleの地位は、つい最近とうとうDELLを抜かし、全米1位になるほどです)
 一つ言えるのは、一つの製品をディスコンしたという事実と、しかし、その資産をどう生かすかという考え方は、今のAppleの考え方をよく表していると言えるでしょう。

■eMateを眺めてみる
さて、長話もここまでにして、私が所有しているeMateを眺めてみますか....

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貝殻をモチーフにしたというeMate


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キーボードは子供用ということで若干小さい


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iPod touchと並べてみると大きさがわかる


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当時としては珍しいバックライト付


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バックライトを消してみた


 私自身は何年か前まで、このeMateを実際の打ち合わせでよく使っていました。
 実際、初めて見る人はこのかわいいデザインを見て、「Appleの新しいマシンですか?」とか言われたりとか、よく考えてみると「eMateってマイナーだよなぁ〜」とか思ったりもしています。
 さて、こんなeMateですが、ヤオフクでも未だ3万以下にはならず、かなり高価な値段で落札されていたり、日本語を走らせるために必要な4MBメモリキットや、LANカードなど現在では入手困難なものが多くなりつつあり、なかなか周辺機器が揃わない状況が続いています。
 実は私が使わなくなった理由もそこにあり、現状使い続けることでボディ等にダメージを与えてしまい、使うのが怖くなっているのが本音だったりするわけで・・・ある程度ストックを持ってる方でもそういう人が増えているようですね

さて、今回はGeekというよりは、どっちかっていうとノスタルジーといったレビューでしたが、もしeMateを所有したいという方がいるのあれば、ヤオフクよりもebayを個人的におすすめします。  送料込みでも大体1万〜1.5万円程度で入手できますし、美品にあたる事も結構多いようです。
(ライター:Wanwan)

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